Number.6
間取りに惚れる
コーポラティブハウス体験記 2

COOPERATIVE HOUSE JOURNAL
2018/05/25

完成後のコーポラティブハウスは一般の分譲マンションと同じ区分所有ため、住戸単位で売買されているケースもあリます。今回ご紹介するA邸も、その例の一つです。

元々、奥様は結婚前に知人の紹介でコーポラティブハウスを見学したことがありました。
「各ご家庭で間取りもインテリアも全く違っていて驚き、ずっと印象に残っていました。」
その後、結婚を機に市内で新居を探し始めました。当初は分譲マンションを探しましたが、どの物件も似た間取りで決め手がなかったと言います。
「夫婦とも実家が戸建てだったので、できれば一軒家のようなオリジナルの間取りで、顔見知りの近所付き合いができる家が理想でしたが、簡単には見つかりませんでした。」

その時、奥様が以前見学したコーポラティブハウスの事を思い出しました。知人に問い合わせると、タイミング良く1室が空室予定に。すぐに夫婦で見学に行き、購入を決めたそうです。
「リビング・ダイニング・キッチンが空間的にゆるやかにつながり、見渡せる間取りが気に入っています。」(下の写真は、物件を購入した時のリビング)

購入後は、すぐにリフォームを行いました。当初は全面改装も考えましたが、予算を考慮して元のプランはほとんど変更せず、床や壁、造作家具、照明を変えることで好みのインテリアに仕上げました。

特に、畳からフローリングに変えた個室には、経年変化を楽しめる素材を使いたいとの思いから、カリンのフローリングを採用しました。また、造作家具にもカリンを使用することで、LDKと個室に一体感が生まれました。

「元の間取りがあったのが逆に良かったです。色や素材を変えるだけで雰囲気がガラッと変わる面白さに気づくことができました。」
また、照明や配色は元の設計士や、知人の画家のアドバイスも積極的に取り入れました。
「プロの意見を参考にする事で、安心して、思い切った色も取り入れる事ができました。」
最初のプランに、プロのアイデアとAさんご家族の想いが重なり、世界で一つだけのわが家が生まれました。

※この連載は、大阪市の上町台地で配布されている地域情報誌「うえまち」にて連載しているものを加筆、再構成したものです。