Number.4
見晴らしを生かす
眺望を考えた家づくり

COOPERATIVE HOUSE JOURNAL
2017/11/25

 コーポラティブハウスの規模は10階前後の中高層が一般的です。他のマンションと同じように、階数が高い部屋ほど、陽当たり・眺望の条件は良くなります。都心の建物が立ち並ぶ環境では、見晴らしが良いだけでも大きなメリットですが、そこにコーポラティブハウスならではの自由設計を取り入れると、入居者の希望に合わせて、眺望を生かした様々なプランが生まれます。

 例えば、下の2枚の写真は、実は同じ建物の全く同じ位置(建物の西側)にある部屋です。しかし、住人によって、良い眺めを見たいシーンが異なります。上の写真は8階の住戸のリビングです。目の前の緑道と寺院の植木がパノラマで見渡せるように、壁の高さと窓の大きさがデザインされています。

 一方、6階の別の住戸では、先ほどのリビングと同じ西側に浴室を配置しています。こちらは浴槽に座った時に、窓から緑のみが見え、道路や塀などその他の余計なものが遮られるように、窓の高さが決められています。

 マンションでは、窓の位置は決められているためこの様な体験はできませんし、自由に設計ができる戸建て住宅でも、2階から3階建の低層が一般的です。ダイナミックな見晴らしを生かした家づくりは、コーポラティブハウスならではと言えるでしょう。

※この連載は、大阪市の上町台地で配布されている地域情報誌「うえまち」にて連載しているものを加筆、再構成したものです。